内部統制報告書-開示すべき重要な不備の事例(2012年11月)

Control

2012年11月に公表された内部統制の開示すべき重要な不備です。12月決算会社の訂正で1件、3月決算会社の訂正で3社の計4社ありました。

会社名 取引所 決算期 開示すべき重要な不備の内容 事業年度末日までに是正できなかった理由 開示すべき重要な不備の是正方針 連結財務諸表等に与える影響 財務諸表の監査報告における監査意見 付記事項/特記事項
神姫バス株式会社 大証2部 H23.3
H24.3
当社子会社である株式会社ホープ及び株式会社エルテオにおいて、両社を兼務していた元代表取締役が、2社より不当に工事代金を水増しした工事若しくは架空工事を発注させ、自らが支配する架空の建設業者又は懇意の協力請負業者にこれを受注させて、架空の建設業者の銀行口座よりその代金のほぼ全額を取得するほか、協力請負業者から架空工事又は水増し分の一部若しくは全部を元代表者個人に支払わせていたことが確認された。当該不正が発生したホープ、エルテオの2社において全社統制の一部に、①不正リスクが高まる人材配置(利益相反関係にある2社の代表者を兼務させた)、②子会社取締役の職責の認識不足、③内部公益通報制度が適時に機能しなかった等、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなった欠陥(開示すべき重要な不備)が存在したと判断した。 子会社元役員の不正行為が判明したことによるH23.3期およびH24.3期の内部統制報告書の訂正である(是正中)。 ①子会社代表者兼務の原則禁止
②当社グループにおけるガバナンスの強化
③内部公益通報制度の見直し
④当社による会計・経理業務支援
⑤コンプライアンス委員会の活動強化
なし(訂正による過年度業績への影響は処理済み) (訂正後の連結財務諸表について2期とも)無限定適正意見 なし
はるやま商事株式会社 東証1部 H24.3 第39期第2四半期レビューにおいて、監査法人からの指摘により第38期第3四半期、同期末決算、第39期第1四半期における繰延税金資産の計上金額が過少となっていたことが判明し、その結果当期純利益が過少に計上されていた。この原因は、決算財務報告プロセスにおけるチェック項目、チェック体制が不十分であったためである。 監査法人からの指摘で前期および当期の誤謬が判明したことによるH24.3期の内部統制報告書の訂正である(是正完了)。 決算財務報告プロセスにおけるチェック項目の是正及びチェック体制の確保 なし(訂正による過年度・当年度業績への影響は処理済み) (訂正後の連結財務諸表について)無限定適正意見 (付記事項)評価結果に関する事項に記載した不備に関しては、本訂正報告書提出時点においては決算財務報告プロセスにおけるチェック項目の是正及びチェック体制の確保について完了している。
株式会社オービック 東証1部 H24.3 保有する非上場の私募社債の評価プロセスが不十分であったため、当期の有価証券等について遡及して訂正を行うこととした。これは社債の評価に必要な能力を有する人材を確保・配置できていなかったこと、社債の評価に関する会計上の見積りを決定する際の客観的な実施過程を十分に保持していなかったこと、また、それに伴い、個別に信用リスクに応じた償還不能額を合理的に算定することが適時にできなかったことによる。 過年度決算における貸借対照表計上額の算定に要した情報に誤謬があった事実が判明したことによるH24.3期の内部統制報告書の訂正である(是正中)。 ①組織体制の見直し・人員増員による統制活動及びモニタリングの強化
②必要な知識・管理手法を習得するための教育・育成及び社外専門機関の利用の拡大
③時価を評価することが極めて困難と認められる有価証券等の評価基準の厳格化
なし(訂正による過年度業績への影響は処理済み) (訂正後の連結財務諸表について)無限定適正意見 なし
株式会社ニチリン 大証2部 H23.12 在庫数量操作による棚卸資産の過大計上(利益の過大計上)という不適切な会計処理が平成23年期末から平成24年6月にかけて行われていた。また誤謬による棚卸資産の過大または過小計上、処理タイミングの認識相違に起因する買掛金の取り崩しによる利益計上なども発見された。これらは当社から海外子会社の会計に対する監査し、当社から海外子会社に対する統制、海外子会社の人員の教育、コンプライアンス研修、内部通報制度が十分でなかったことに起因する。以上から当社の全社的な内部統制、全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスに関する内部統制に重要な欠陥があったため、不適切な会計処理が行われたものと認識した。 過年度において不適切な会計処理があった事実が判明したことによるH23.12期の内部統制報告書の訂正である(是正中)。 ①当社から海外子会社の会計に対する監視強化
②当社から海外子会社に対する統制の強化
③海外子会社の人員の教育充実
④コンプライアンス研修の充実
⑤内部通報制度の充実
なし(訂正による過年度業績への影響は処理済み) (訂正後の連結財務諸表について)無限定適正意見 なし

Source:開示情報「訂正内部統制報告書」などをもとに筆者にて要約

注:情報の検索範囲の網羅性については確保されていません。あらかじめご了承ください。

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Akiyoshi KANEKO

業務プロセスを可視化(モデル化)し、その可視化されたドキュメントを中心においてプロジェクトを推進するアプローチを提唱している。経理・財務分野を主な専門領域として、業務プロセスの改善やシステム構築、組織体制の整備に関するコンサルティングに従事。プロジェクト現場では、「お互いの仕事を理解する」「現状の課題を共有する」「考えていることを相手に伝える」「新しいしくみを共有し実行まで落とし込む」よう関係者間の橋渡し役として活動する。著書『内部統制評価にみる「重要な欠陥」の判断実務』『阻害要因探しから始める決算早期化のテクニック』
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