内部統制報告書-開示すべき重要な不備の事例(2013年4月)

Control

2013年4月に訂正内部統制報告書において、開示すべき重要な不備などを公表した企業です。

株式会社中広は、国税の税務調査の結果、判明した財務諸表の誤りが、決算財務報告プロセスにおける検証項目・検証体制が不十分であることに起因するとして、H24年3月期の訂正内部統制報告書を提出しています。

日本風力開発株式会社は、経営者の評価結果は「有効である」に変わりはありませんが、有価証券報告書の訂正を受けて内部統制報告書の評価結果記載事項に訂正を加えています。

会社名 決算期 開示すべき重要な不備などの内容 事業年度末日までに是正できなかった理由 開示すべき重要な不備の是正方針 連結財務諸表等に与える潜在的な影響 付記事項/特記事項
株式会社中広 H24.3 平成25年3月期に行われた国税の税務調査の結果、平成16年3月期に当社の子会社との適格合併により引き継いだ税務上の繰越欠損金について、繰越年数に誤りがある等の指摘により第34期第1四半期、第2四半期、第3四半期、同期末決算における法人税、住民税及び事業税の計上金額が過少となっていたことが判明し、その結果当期純利益が過大に計上されておりました。この原因は、決算財務報告プロセスにおける検証項目、検証体制が不十分であったためであります。

【付記事項】
評価結果に関する事項に記載した不備に関しては、本訂正報告書提出時点においては決算財務報告プロセスにおける検証項目及び検証体制の是正は完了しております。

日本風力開発株式会社 H21.3 (訂正後)
下記に記載した事象は、より信頼性の高い財務報告を行うことを目的として、保守的な会計処理を優先したことによる有価証券報告書の訂正及び関東財務局長により発出された訂正命令に従って有価証券報告書を訂正したものであり、財務報告に係る内部統制の不備により生じたものではなく、重要な欠陥には該当しないと判断することから、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効であると判断いたしました。

1)有価証券報告書の訂正(平成21年7月28日提出) 
当社グループの連結親会社である日本風力開発株式会社において、平成21年3月期に計上いたしましたNAS蓄電池代理店手数料売上について、連結上の未実現利益として、平成22年3月期に連結消去しておりました会計処理を平成21年3月期に連結消去する形に訂正するという過年度決算の訂正を行うことに拠るものであります。
当該処理は当社グループの過年度決算の適切性の確認のために設置した外部調査委員会より平成22年7月14日付けで受領いたしました調査報告書で「過年度の決算処理が現行の会計基準を逸脱するものであるとはいえない」等、との評価を受けておりますが、一部の処理につきましてはより保守的な会計処理により「過年度修正を行うことも、一つの判断としてはあり得る。」との指摘を受けたものに拠るものであります。
なお、これに伴い当社は、過年度の決算を訂正するとともに、平成21年3月期から平成22年3月期第3四半期までの四半期報告書、有価証券報告書について訂正報告書を提出いたしました。

2)有価証券報告書の訂正(平成25年4月19日提出)
平成25年4月12日付で関東財務局長より「実態のない風力発電機販売斡旋取引に係る売上」を計上しており有価証券報告書に虚偽記載があるとして、訂正報告書を提出するよう命令(以下「本件提出命令」といいます。)が発出されました。
当社としては本件提出命令には承服できないものとして、平成25年4月18日付で、東京地方裁判所に訂正報告書の提出命令取消の訴訟の提起及び行政処分執行停止申立を行いました。
他方で、本件提出命令については、その提出まで7日間の期限が付されているところ、万一執行停止が認められない場合、本件提出命令に従わないときに金融商品取引法に基づく罰則が規定されていることを勘案し、本件提出命令に沿った有価証券報告書に係る訂正報告書の提出を行ったものであります。

日本風力開発株式会社の訂正内部統制報告書の提出は、証券取引等監視委員会が平成25年3月29日付で課徴金納付命令と有価証券報告書に係る訂正報告書の提出命令を発出するよう勧告を行ったことが背景にあります。現時点でまだ決着しておらず、有価証券報告書にも以下の追加情報が記載されています。

(今後の状況)
平成25年4月12日付で、関東財務局長より当社提出の第10期事業年度有価証券報告書に係る訂正報告書の提出命令(以下、「本件提出命令」といいます。)が発出されたことに伴い、連結財務諸表の訂正を行っております。しかし、当社としては本件提出命令には承服できないものとして、平成25年4月18日付で、東京地方裁判所に有価証券報告書の虚偽記載に係わる訂正報告書の提出命令取消の訴訟の提起及びそれに関する行政処分執行停止申立を行いました。この訴訟の結果、当社の主張が認められた場合には、連結財務諸表を訂正する予定であります。
(訂正有価証券報告書より引用)

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Akiyoshi KANEKO

業務プロセスを可視化(モデル化)し、その可視化されたドキュメントを中心においてプロジェクトを推進するアプローチを提唱している。経理・財務分野を主な専門領域として、業務プロセスの改善やシステム構築、組織体制の整備に関するコンサルティングに従事。プロジェクト現場では、「お互いの仕事を理解する」「現状の課題を共有する」「考えていることを相手に伝える」「新しいしくみを共有し実行まで落とし込む」よう関係者間の橋渡し役として活動する。著書『内部統制評価にみる「重要な欠陥」の判断実務』『阻害要因探しから始める決算早期化のテクニック』
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