2020年のERPソフトウェア産業のトップ5の予測

Prediction

業務アプリケーションとしてERPパッケージは多くの企業で導入されていますが、大企業を中心としたERPの初期の導入は1990年代後半から2000年はじめ頃に多かったと思います。その後、全面的にリプレイスをした企業もありますが、機能改修やバージョンアップで使い続けている企業も多いのではないでしょうか。

そのような企業を含め、将来ERPをリプレイスあるいは購入するときに、どのERP製品を選択するか、そもそもERP製品/ベンダー市場がどのようになっているか、「そんなこと、その時にならなければわからない」というのが通常の感覚かと思います。

さて、米国デンバーに本社を置くPanorama Consulting Solutionsが提供する360°ERP BLOGにおいて、2020年のERPソフトウェア産業を予測する記事が出ていました。この予測があたるかどうかはわかりませんが、興味深かったので、今回はご紹介します。

1.Consumerization of ERP systems.

一つ目の予測は、ERPシステムのコンシューマライゼーションが進むというもの。現在の20代や今後入社してくる学生たちは、FacebookやTwitterをはじめ直感的に操作できるアプリケーションを利用して育った世代です。彼らにとって、時代遅れのユーザーインタフェースや機能を持ったERPシステムは印象が悪いため、よりユーザーフレンドリーで見慣れているものに似たユーザーインターフェースへシフトするプレッシャーがベンダーには起きるだろうとしています。そのような中、OracleJDEdwardsとInforの2つのERPシステムは、魅力的なユーザーインタフェースを展開しているとコメントしています。

2.Mobility will become mainstream.

二つ目の予測は、モバイル端末によるERPソフトウェアへのアクセスが高まるというもの。多くの業界アナリストが今後数年間で、SaaSやクラウドの採用が増加し続けるとしていますが、著者はモビリティが2020年において現実的に主要な技術になっているだろうと主張しています。マネジメント層、バックオフィスの従業員、ショップフロアの店員、倉庫の作業者などが、企業データにアクセスするためにモバイル端末を使用するだろうと予測しています。モバイル端末が個人の生活の中で使用されていますので、企業が認めれば、必然的にERPソフトウェアにアクセスするためにそれらの端末を使用するようになる、また、パートタイムや契約社員にとって、さらにモバイルERPソフトウェアの必要性が出てくるとしています。

3.Increasing focus on business intelligence and data.

三つ目の予測は、ビジネスインテリジェンスとデータにより焦点をあてるというもの。この傾向は、すでに多くのERP製品で見てとることができますが、今後さらに加速すると予測しています。ERPソフトウェアを介して、企業全体の取引データと戦略的データを数年にわたって掴むことによって、組織はデータに意味づけをして、戦略的優位にそれらを結びつけることに焦点をあて続けます。そして、企業はより堅牢でインテリジェントな情報活用の方法を要求するとしています。既にSAP、Oracle、Inforはビジネスインテリジェンス機能に多額の投資をしていますが、この傾向は今後も続くだろうとのことです。

4.Fragmentation of ERP software.

四つ目の予測は、ERPソフトウェアが断片化するというもの。今では成熟したフルモジュールが展開されたERPソフトウェアを探す必要はないとする企業が増加していて、代わりに、WMS(倉庫管理システム)、CRM(顧客管理システム)、HCM(人材育成システム)といったピンポイントのすぐに成果の出るシステムを探しているとのことです。単一のERPソフトウェアとマルチポイントソリューションとの間を行ったり来たりするのは、自然の傾向であるとしています。フルモジュールでERPを導入するのは標準化や統合化を目的としますが、それよりもピンポイントでCRMやHCM、WMSシステムを導入しようとするのは、低コスト・低リスク・短期間で成果を得る・社内抵抗が少ないといったことが理由であるとのことです。

5.Organizations will finally crack the code on organizational change management.

最後の予測は、組織は最終的に変更管理上の暗号を解読するというもの。新しいERPシステムの導入に当たって組織変更管理は最も大きなチャレンジになります。プロジェクトが遅延したり、予算オーバーしたりする理由に組織変更管理の問題があげられています。ERPシステムの導入に成功する企業と失敗する企業の間には、組織変更管理のようなソフトな問題が、主要な差別化要因となるだろうとしています。

(筆者が理解した内容で意訳しています。個人的な解釈も含みますので、必要に応じて下記に記載したリンク先の原文を参照してください)

原文:Top Five Predictions for the ERP Software Industry in 2020(Eric Kimberling)

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Akiyoshi KANEKO

業務プロセスを可視化(モデル化)し、その可視化されたドキュメントを中心においてプロジェクトを推進するアプローチを提唱している。経理・財務分野を主な専門領域として、業務プロセスの改善やシステム構築、組織体制の整備に関するコンサルティングに従事。プロジェクト現場では、「お互いの仕事を理解する」「現状の課題を共有する」「考えていることを相手に伝える」「新しいしくみを共有し実行まで落とし込む」よう関係者間の橋渡し役として活動する。著書『内部統制評価にみる「重要な欠陥」の判断実務』『阻害要因探しから始める決算早期化のテクニック』
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