内部統制報告書-開示すべき重要な不備の事例(2014年10月)

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2014年10月に内部統制報告書における開示すべき重要な不備の事例です。経営者の評価結果で、開示すべき重要な不備などがあり内部統制は有効ではないとした企業の事例をご紹介します。

開示すべき重要な不備などの概要

マルマン

ゴルフ事業と健康食品事業を展開するマルマン株式会社は、担当の会計監査人である清和監査法人から、過去に提出・公表した決算数値の誤りの指摘を受け、確認・精査した結果、平成24年9月期以降の有価証券報告書等を訂正しています。

具体的には、繰越欠損金の控除限度額に関連して繰延税金資産の計上に誤りがあり、また、連結子会社への貸付金にかかる未収利息と関連する貸倒引当金の計上に誤りがあり、さらに、持分法適用関連会社による子会社の吸収合併に関する会計処理の誤りがあったとしています。

会社は、当該訂正処理について、会計基準等に関する理解不足及び決算財務報告プロセスにおける該当項目の内部統制が不十分であるなど、正確な財務数値を作成するための経理体制に起因した不備であるとしています。結果として、全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスに開示すべき重要な不備があると判断し、平成24年9月期から平成25年9月期までの訂正内部統制報告書を提出し、開示すべき重要な不備があると公表しました。

なお、会社は平成25年11月に12月の株主総会で新日本有限責任監査法人が就任する旨を公表をするも、交代後最初の第1四半期の決算短信の作業中である平成26年2月に監査契約を合意解除し、一時会計監査人に清和監査法人を選任しています(平成25年9月期までも清和監査法人)。そのときの異動に至った理由が、資産項目の期首残高及び平成26年9月期第1四半期における勘定科目全般の妥当性等に関する質問について適時に対応することが困難であった、というものです。

今回の訂正事項との関係性は不明ですが、会社は訂正内部統制報告書等による再発防止策の中で、広範囲にまた厚く内部統制の再構築を図っています。内部統制は、費用と便益の比較衡量が求められますが、決算財務報告プロセスにおける決算数値の作成誤りのリスクは、この比較衡量が難しい項目です。

開示すべき重要な不備の一覧

会社名
決算期
開示すべき重要な不備の内容
開示すべき重要な不備の是正方針
付記事項
特記事項
マルマン株式会社
H25.9、H24.9
当社は平成25年9月期の連結財務諸表及び個別財務諸表において、以下の会計処理に関し誤りのあることが判明したため、平成25年9月期第1四半期から第3四半期における四半期報告書並びに平成25年9月期の有価証券報告書について訂正報告書を提出いたしました。
①繰越欠損金にかかる繰延税金資産の計上における会計基準の適用の誤り
②連結子会社への貸付金に対する未収利息と貸倒引当金の計上に関する誤り
③持分法適用関連会社による子会社の吸収合併に関する会計処理の誤り
 上記の誤りが発生した原因は、それぞれ該当する会計基準等に関する理解不足及び当社の決算財務報告プロセスにおける該当項目の内部統制が不十分であるなど、正確な財務数値を作成するための当社の経理体制に起因した不備であり、全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスに開示すべき重要な不備があると判断いたしました。

(筆者注:平成24年9月期は上記③を除く)

①決算マニュアルの充実と相互チェック体制の確立
②経理人員の増強
③連結対象会社の管理体制の充実と決算処理に関する情報の共有化
④社内外の研修を通した経理・決算業務に関する基礎及び専門知識の習得
⑤外部専門家との連携と決算財務報告プロセスの再構築

Source:開示情報「内部統制報告書」「訂正内部統制報告書」などをもとに筆者にて作成

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Akiyoshi KANEKO

業務プロセスを可視化(モデル化)し、その可視化されたドキュメントを中心においてプロジェクトを推進するアプローチを提唱している。経理・財務分野を主な専門領域として、業務プロセスの改善やシステム構築、組織体制の整備に関するコンサルティングに従事。プロジェクト現場では、「お互いの仕事を理解する」「現状の課題を共有する」「考えていることを相手に伝える」「新しいしくみを共有し実行まで落とし込む」よう関係者間の橋渡し役として活動する。著書『内部統制評価にみる「重要な欠陥」の判断実務』『阻害要因探しから始める決算早期化のテクニック』
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