小さな国内の業際問題

今年6月28日に日本税理士会連合会(日税連)から公表された「税理士制度に関する勉強会における論点整理メモ」に対して、7月25日に日本公認会計協会から公表された会長所感「日本税理士会連合会の「税理士制度に関する勉強会における論点整理メモ」について」と9月10日に第一税理士協議会から公表された会報264号では、日税連の意見に反対する立場のコメントがされていました。

そして、9月19日に日税連からの研究委託を受けた公益財団法人日本税務研究センターが「税理士の資格取得制度のあり方(意見書)~税理士法第3条第1項第3号及び第4号について~」と題する意見書を提出し、同月内に日税連では「税理士法に関する改正要望書」を決定し、国税庁長官及び財務省主税局長に提出しているそうです。

この公認会計士と税理士の間の税理士資格取得に関する問題は論旨に政治的な色彩が強く、個人的には静観する立場なのですが、このような中、11月6日に、日本の会計教育の一環を担う会計大学院協会から「税理士の資格取得制度のあり方(意見書)~税理士法第3条第1項第3号及び第4号について~」に対する疑問」が公表されました。今回はこの問題について、「小さな国内の業際問題で血眼をあげて争い、そのことにエネルギーを割いている」場合ではないという会計大学院協会の意見に共感しましたのでクリップしておきます。

TPP 等、諸外国との間での専門資格の相互乗入れ又は相互承認の問題は、近い将来の課題となってくると思われる。そうした課題を見据えたときに、わが国の重要な会計プロフェッションたる税理士業界と公認会計士業界とが、小さな国内の業際問題で血眼をあげて争い、そのことにエネルギーを割いていることに対して、わが国の会計教育の質の維持と向上及び会計社会の健全な発展を願うわれわれ会計大学院関係者は、大いなる危惧を抱いている。両業界の業界団体である日本税理士会と日本公認会計士協会に対しては、本来検討すべき将来の課題について胸襟を開いて議論をする環境を整えることで、わが国経済社会における会計プロフェッションの信頼性強化に向けた取り組みを早急に始めることを強く求めたい。

(P6より引用)

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税理士の資格取得制度のあり方(意見書)~税理士法第3条第1項第3号及び第4号について~」に対する疑問