内部統制報告書-開示すべき重要な不備の事例(2013年1月)

2013年1月に公表された内部統制の開示すべき重要な不備です。10月決算会社で2社ありました。オリバーは昨年12月に提出している訂正内部統制報告書における不備内容と同じで、不備の是正方針が少し具体化されていました。京王ズホールディングスは業務プロセスに係る内部統制の評価範囲に、前連結会計年度における不適切な取引及び会計処理に関わる業務プロセスとして資金管理プロセスを加えていましたが、当該プロセスにて不備が発生しています。

会社名
取引所
決算期
開示すべき重要な不備の内容
事業年度末日までに是正できなかった理由
開示すべき重要な不備の是正方針
連結財務諸表等に与える影響
財務諸表の監査報告における監査意見
付記事項/特記事項
株式会社オリバー
名証2部
H24.10
当社医療福祉営業部において、過年度から当社元従業員(元執行役員)が、特定の取引先との取引に際して商品の納入・販売の実態がないにも関わらず仕入・売上計上を行う架空・循環取引を継続的に行っていた。これらの事実は、コンプライアンス意識の不徹底、直送取引に係る販売及び購買プロセスに関する規程類の不備、医療福祉営業部の承認手続きに不備があり、職務分離や相互牽制が十分に機能していなかったこと及びモニタリングが不十分であったことによる。以上のことから、当社の全社的な内部統制及び業務プロセスに関する内部統制に重要な欠陥があったため、当該架空・循環取引の発見に遅れを生じさせたものと認識した。
当連結会計年度末日近くに発覚したため。
①予算策定方針の見直し
②人事評価・人事政策方針の見直し
③コンプライアンス委員会の設置
④コンプライアンス・マニュアルの改定とコンプライアンスの徹底
⑤与信管理規程の改定及びスポット取引の見直し
⑥直送取引に関する物品受領確認
⑦請求書発行業務の見直し
⑧直送取引に関する営業部の権限縮小及び購買部門の新設による職務分掌の再構築
⑨規程の改定に対する社員向け研修会の実施
⑩内部監査体制の充実と内部監査の強化
⑪取締役会及び監査役の更なる活性化
⑤管理・コンプライアンス部門の充実化
なし(関連する取引ついて調査の結果特定した必要な修正はすべて財務諸表および連結財務諸表に反映している)。
無限定適正意見
なし
京王ズホールディングス
東証マザーズ
H24.10
当社グループの資金管理プロセスに係る内部統制について以下のとおり不備が認められた。
①会社との利益相反取引に該当する仮払取引について、社内稟議の手続きは取られていたが、取締役会の承認手続が行われていなかった。なお、当該仮払金に関しては平成24年12月に全額回収済みであり、現時点では残高はない。
②関連当事者に関係する支出において、本来貸付金として処理すべきものが、販売費及び一般管理費として処理されていた。当該費用については、契約書を締結し貸付金としての処理へ変更し、毎月一定額の回収を行っている。
事象の発生と上記不備が事業年度末日に近い時点で発見されたため。
これらの重要な不備の再発防止を図るため全社統制及び業務処理統制の強化・徹底を行う。
なし(関連する取引ついて再検証の結果特定した必要な修正はすべて財務諸表および連結財務諸表に反映している)。
無限定適正意見
なし

Source:開示情報「訂正内部統制報告書」などをもとに筆者にて要約

注:情報の検索範囲の網羅性については確保されていません。あらかじめご了承ください。

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Akiyoshi KANEKO

監査法人に勤務。組織内では、テクノロジー・ソリューションの企画・開発、構築局面における推進、運用局面におけるサポートの統括を担当。AWSの仮想デスクトップサービスであるWorkSpacesとGoogleのChromebookを組み合わせたセキュアなデスクトップ・ソリューションの構築を始め、様々なクラウドサービスの導入を推進。顧客企業向けに、マネジメント系のコンサルティング業務にも従事。