会計士にとって役立つIT資格にも変化を感じたとき

先日、久しぶりにたい焼きわかばに行きました。お店の前で並んでいると、目の前で焼いている様子が見れます。ただ、以前と変わって仕切りが置かれ奥まった位置で焼いている様子が見れるようになっていました。たい焼きの味は甘すぎず、ぎっしりとあんこが詰まって、相変わらず美味しかったです。お店では見習いを募集していました。未経験者が人前でたい焼きを焼けるようになるにはどのぐらいかかるのかな、と思った次第です。

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今年はコロナ禍でオンラインセミナーの受講機会が増えました。オンラインセミナーでは会場に足を運ぶことなく受講できます。また、個人によるLIVE配信(動画、ラジオ)も増えていて、お昼休みなどの隙間時間に情報収集もできるようになりました。また、セミナー講師の依頼を受ける場合も、オンラインのみ、またはオンラインとリアルのハイブリッド方式になっています。

こうした動きは、個人が新しいスキル・知識を学ぶ方法にも現れています。従来であればスクールに通って学んでいたものが、オンラインの学習サイトで学ぶことができます。今年は、ちょうど自分が主担当であるIT関連の教育・スキル開発にオンライン学習サイトを使ってみようかと、所属事務所で受講希望者を募って使い始めてみました。
取り組みの背景や主旨を伝えて参加を募集したところ、メンバーが受講したいと言ってきた講座が次のとおりでした。

  • Python
  • AWS認定資格
  • Googleサービス(デジタルマーケティング、動画活用ビジネス)
  • PowerPointプレゼンテーション術
  • コミュニケーションスキル
  • Excel(集計分析、グラフ、ダッシュボード)
  • Webサイト分析ツール(Googleアナリティクス・Googleタグマネージャー・Googleサーチコンソール・ヒートマップ)
  • IPA関連資格

聞く前は、事務所から報奨金がでるIPAなどの情報システム・セキュリティ関連の認定資格を受講したい人が多いかと思いきや、幅広い分野の学習に興味があることがわかりました。
これまで内部で講師を立てて自前で研修を作ったり、スポットで外部の専門講師を招いて研修を企画したりしましたが、外部リソースの活用に軸足を移した方がいいと思いました。メンバーが自分自身で法人・業界内でどう立ち回っていくか考えることが大事だと思ったからなのと、学習したメンバーが それら学んだことを実務で使ってアウトプットする、経験値をあげる機会をつくるのが事務所の役割と思い直したからです。

その昔、ボクが就職活動をしていたときに出会った会計士のコンサルティングパートナーに面談で次のようなことを教わりました。

一つの専門分野を持つ人材をI型という。キミは会計士受験の勉強をしているから、合格してその道に進めば監査・会計が一つの専門分野になるだろう。でもこれからはそこに横棒(ー)を足して広い知識を持つことを意味するT型、さらにはもう一つ別の軸足となる専門分野持つΠ(パイ)型の人材が求められる。コンサルティングファームだと・・・

会計士は、継続して自己研鑽することが求められる職業です。勉強が好きでないと第一線には残れません。試験に合格した後、更新料だけ支払えば一生保持できる資格ではなく、専門的能力を維持・開発するための研修単位を毎年取らなければならない継続研修(CPE)制度もそうした主旨で運営されています。
クライアントや社会のニーズ、環境の変化に対応するため、何を学習するか、必要があればキャリアもチェンジすることは最近では珍しくありません。


所属事務所から個人の会計士として独立等したメンバーが、新たな場所で活躍していることを直接・間接的に知ります。事務所に所属していたときに身につけた知識・経験を切り売りしていては長く持たないでしょう。そういう成功した・順調だという話の裏には、そう周りが認めるまでに努力をしていることが容易に想像がつきます。

監査法人に所属する会計士も例外ではありません。法人に所属するとCPEで年間に必要な取得単位を満たすように、定例研修などの研修プログラムがリアル、リモート、eラーニングを通じて用意されます。しかし、これらは幅広く会計士に必要な研修を集めた、いわゆる受け身のプログラムです。


所属事務所にはIFRS実務や海外実務経験を積むための同様のサポートもあります。今回IT関連のサポートプログラムに手を挙げたメンバーには、自分に向き合い、自分でステアリングを切るアクションを起こしていってもらいたいなと思いました。