開示すべき重要な不備の事例(2014年7月公表)

2014年7月に内部統制報告書における開示すべき重要な不備の事例です。経営者の評価結果で、開示すべき重要な不備などがあり内部統制は有効ではないとした企業の事例をご紹介します。

開示すべき重要な不備などの概要

プリンシバル・コーポレーション

当事業年度の連結財務諸表等の開示資料作成プロセスにおいて、連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則等と再照合したところ、表示に関する重要な修正を行ったとしています。H26年3月期の有価証券報告書は期限内(6月30日まで)に提出することができず、遅延しました(7月1日提出)。会社は、必要かつ十分な専門知識を有する人材を配置できなかったため、開示資料作成プロセスの品質管理が十分でなかったとしました。その結果、平成26年3月期の内部統制報告書において、開示すべき重要な不備があり内部統制は有効ではないと報告をしています。

内部管理体制の整備面での課題は多く、会社は過去に子会社管理に起因して開示すべき重要な不備(平成23年3月期訂正、平成24年3月期通期)の対応を行ってきました。また、7月22日に「社内調査委員会設置に関するお知らせ」を公表していますが、その中で、証券株式会社が保有していた新株予約権の発行時及び全部行使された際の払込資金の全額(約2億円)が引き出され、行方が不明となっている事実が判明しています(早期に使途不明部分を回収できる可能性は極めて低いと判断し貸倒引当金-特別損失を計上済み)。

なお、会計監査人は頻繁に交代しており、H21年3月期以降、明和監査法人→監査法人和宏事務所→阪神公認会計士共同事務所→公認会計士丸岡裕事務所、稲森公認会計士事務所→監査法人アリアとなっています。

開示すべき重要な不備の一覧

会社名
決算期
開示すべき重要な不備の内容
開示すべき重要な不備の是正方針
付記事項
特記事項
株式会社プリンシバル・コーポレーション
H26.3
当社は、信頼性ある財務諸表を作成するために、必要なスキルを持つ人材を確保・配置することに努めてきましたが、当事業年度末日時点において、結果として必要かつ十分な専門知識を有する人材を配置出来ませんでした。このため、事務体制として開示資料作成プロセスの品質管理が十分でなく、当事業年度の連結財務諸表等について、連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則等と再照合し、表示に関する重要な修正を行いました。
事業年度の末日までに是正出来なかった理由は、当初、現行体制で対応可能との認識でおりましたところ、評価の結果、十分な体制ではないと判断するに至り、その時点よりすみやかに採用活動を開始いたしましたが、十分な専門知識を有する人材の採用が不芳に終わったためであります。
今後、早期に十分な専門知識を有する人材の採用に努めるとともに、外部委託による専門家の助言および事務支援を活用し、翌事業年度においては、適切な内部統制を整備・運用する方針であります。なお、提出日現在までの実施状況につきましては、平成26年4月1日に取締役1名を管理本部長とするとともに、管理本部長の補佐として、5月7日に総務担当執行役員1名を採用し、また、4月27日に財務担当執行役員1名及び開示担当執行役員1名を採用いたしました。
(筆者注:以下、平成26年9月2日の訂正報告書より)
その後、平成26年6月27日第69回定時株主総会にて選任された新任取締役が管理本部長に就任し、総務および財務業務を統括しております。体制変更に伴い、左記執行役員3名は平成26年6月27日をもって退職いたしました。開示業務につきましては、7月1日に開示業務専任の担当者が着任予定となっております。

Source:開示情報「内部統制報告書」「訂正内部統制報告書」などをもとに筆者にて作成

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Akiyoshi KANEKO

監査法人に勤務。組織内では、テクノロジー・ソリューションの企画・開発、構築局面における推進、運用局面におけるサポートの統括を担当。AWSの仮想デスクトップサービスであるWorkSpacesとGoogleのChromebookを組み合わせたセキュアなデスクトップ・ソリューションの構築を始め、様々なクラウドサービスの導入を推進。顧客企業向けに、マネジメント系のコンサルティング業務にも従事。