開示すべき重要な不備の事例(2014年6月公表)

2014年6月に内部統制報告書における開示すべき重要な不備の事例です。経営者の評価結果で、開示すべき重要な不備などがあり内部統制は有効ではないとした企業の事例をご紹介します。

Control

開示すべき重要な不備などの概要

東京衡機

平成26年5月に提出した、平成22年2月期から平成25年2月期までの4期の訂正内部統制報告書と同じ不備の内容で、平成26年2月期の通期の内部統制報告書においても、開示すべき重要な不備があり内部統制は有効でないと提出しています。

遅延していた決算短信の開示は5月30日(所要日数60日)に提出されています。これに関連し、5月27日開催した定時株主総会において、会計監査人および監査役会の連結計算書類監査結果などを株主へ提供することができず、継続会を開催して報告することになっていましたが、当該継続会が6月27日に開催されています。

不備内容は、決算財務報告プロセスに関連するものですが、会社は次のとおり不備の是正に取り組むとしています。

(1)決算財務報告プロセスの見直し
固定資産の減損処理や連結決算に係る決算財務プロセスをさらに整備・強化するため、社内規程や手順書、業務フロー等の見直しを行い、固定資産を的確にグルーピングした上で、減損の兆候を網羅的に把握し、合理的な根拠に基づく減損要否の判定および減損損失の測定を行います。また、関係会社投融資評価につきましても、評価プロセスを見直し、連結子会社の業績見通しの判定の精度を高め、適切かつ合理的な評価を行います。さらに、連結決算につきましては、特に連結仕訳の手順書の作成とその仕訳の検証を有効に行えるようにプロセス整備をいたします。
(2)決算レビュー委員会の設置
決算・会計に関する経営判断に問題がないか様々な視点から確認・検討するために、決算レビュー委員会を設置し、四半期ごとに、決算等のレビューを実施し、関係会社の統制も含め、経営主導による組織的対応を強化いたします。 
(3)会計上の見積り等決算業務に関するモニタリング強化
会計上の見積り等決算業務に関する判断が適正なものであるか客観的に検討するために、当面の間定期的に外部の専門家に指導・支援を依頼し、それによって当該業務のモニタリング機能の強化を図ります。
(4)経理体制の拡充およびスキルアップ
決算レビュー委員会のレビューの実施にあたり、決算業務のスピードを早め、十分なチェック期間を確保するために、経理体制を拡充するとともに、専門家の指導、外部研修等による当該部門のスキルアップを図ります。
(第108回定時株主総会継続会開催ご案内P5-6より引用、太字は筆者)

関連記事:開示すべき重要な不備の事例(2014年5月公表)

ジャパンベストレスキューシステム

会計監査人である有限責任監査法人トーマツから、連結子会社である株式会社バイノスの売上計上に懸念を生じさせる事実がある旨の通知を受け調査をした結果、バイノスにおける不適切な売上高の計上が判明しました。

通常は出来高明細書と入着高・出来高調査表、請求書に基づいて売上計上するところ、実際には出来高明細書及び検収書にて売上計上していましたが、この検収書が、工事完了前に発注者の現場工事事務所長に捺印されたものや、出来高明細書の金額との間に不整合があるもの等があったとのことです。

背景には、バイノスの経営者である代表取締役社長と管理部門の実質的責任者が、売上計画の未達の発覚を回避するため、売上計上ルールを変更し、意図的に売上の先行計上を行ったとされています。

この事例は、新規事業に対する事前調査や着手後の内部統制の整備にあたって、業務プロセスやビジネスリスクを予想することの難しさを表しています。会社は平成25年9月期の内部統制報告書を訂正し、開示すべき重要な不備があり内部統制は有効ではないと報告しています。

長野計器

会計監査人である有限責任監査法人トーマツによる決算監査における仕訳入力及び修正データの検証で、金額の大きな仮払が検出され、その伝票適用欄に記載があった財務担当取締役に説明を求めたところ、発覚した不正です。

取引は大株主でもあるK社に対して、期中は仮払の形で資金提供を行い、各四半期末に同社代理店または子会社2社からの短期融資に振り替えていました。K社における資金の使途はすべてが期中の必要経費、借入金の利息支払に充当されたもので、特に問題となる不正な支出は認められなかったとのことです。

K社は長野計器が株式公開するにあたって資本政策を担ってきた会社であり、現在も筆頭株主となっています。また、K社の銀行借入の実質的な窓口は、当該財務担当取締役が担っていました。資金繰りが悪化したK社に、長野計器の業績が回復し復配すれば何とかなるという気持ちで仮払による繋ぎ資金の提供をしてきたとのことです。金額は徐々に増えてH26年3月末には2億数千万円に達していたとのことでした。

会社は平成22年3月期から平成25年3月期の内部統制報告書を訂正するとともに、平成26年3月期の通期の内部統制報告書において、開示すべき重要な不備があり内部統制は有効ではないと報告しています。

メッツ

代表取締役印が従業員により不正使用され、取締役会承認及びコンプライアンス統括室の審査を経ていない金銭貸借消費契約書が発見されました。印章管理規程の運用やモニタリングが不十分であったことから全社的な内部統制に不備があったとしています。当該従業員が不正を起こした動機や詳細な内容は不明です。

また、経理・決算業務のための必要かつ十分な専門知識を有した社内の人材が不足していること、また、財務・経理部でのチェック体制が不十分であることから、監査法人から多数の指摘を受けて修正を行ったとのことです。

会社は平成26年3月期の通期の内部統制報告書において、開示すべき重要な不備があり内部統制は有効ではないと報告しています。

なお、会社は6月の株主総会で任期満了に伴う会計監査人の異動(三優監査法人から海南監査法人)についてお知らせしています。

SJI

海外連結子会社であるLianDi Clean Technology Inc.の平成26年3月期決算の過程において、税金計算等の誤謬が発生しました。これは当該海外連結子会社における決算・財務報告プロセスの管理が適切に運用されていなかったこと、親会社として海外子会社に対するガバナンスの実効的な運用が十分ではなかったことが原因だったとのことです。

全社的な内部統制および連結子会社の決算・財務報告プロセスの一部に関する内部統制に重要な不備があったことから、会社は、平成26年3月期の通期の内部統制報告書において、開示すべき重要な不備があり内部統制は有効ではないと報告しています。

同社の内部統制は海外子会社がらみで過去2期も有効ではありません(下記は決算期、不備があった連結子会社名、不備があった内部統制)

  • 平成25年3月期 中訊軟件集団股份有限公司(SinoCom Software Group Ltd.) 全社統制、決算財務報告プロセス
  • 平成24年3月期 LianDi Clean Technology Inc. 決算財務報告プロセス

また、監査人も新日本有限責任監査法人(平成24年3月期)→紀尾井町公認会計士共同事務所(平成25年3月期)→清和監査法人(平成26年3月期)と異動が続いています。

JALCOホールディングス

証券取引等監視委員会の調査を受ける過程で、JALCOホールディングスの100%子会社であるジャルコ・アミューズメントサービス(JAS)とオムコ社との間のパチンコ及びパチスロの中古遊技機の販売に係る取引において、不正行為が発覚しました。

JASは、オムコ社に対する売掛金の回収不能リスクを可能な限り減らすため、オムコ社に対し、パチンコホール等との間の売買契約書の提出を求めていましたが、オムコ社は、パチンコホール等との間の売買契約が実際は存在しないにもかかわらず、売買契約書を偽造し、これをJASに提出して取引を行ったり、売買契約自体は実際に存在する場合であっても、中古遊技機の機種や台数の記載を操作したり、代金合計額を水増ししたりしていました。

オムコ社は、不正行為が発覚するのを防ぐため次のような行為をしていました。

  • 八潮倉庫に検収をしに来たJASの役職員に対し在庫が揃うことないなど検収を厳密に実施させないための虚偽の説明をしていた
  • 東京近郊から離れた、静岡、山形又は札幌などに所在するオムコ社の委託倉庫に指定し、実際には納品されていない納品物を受領した旨の虚偽の内容を記載した検収報告をJASに提出していた
  • これらの委託倉庫へは、ビジネス上の信頼関係に支障が生ずるおそれがあることを理由にしてJALCO社から接触をさせなかった
  • 期末決算時、八潮倉庫における監査法人による実地棚卸の立会では、存在するとされていた在庫を販売会社等から寄せ集めて装っていた
  • 監査法人による委託倉庫への在庫確認書類では、委託倉庫に依頼して虚偽の内容を報告させたり、委託倉庫まで書類を回収に行って自ら虚偽の内容を作成・報告したりした

会社は平成25年3月期の訂正報告書と平成26年3月期通期の内部統制報告書において、開示すべき重要な不備があり内部統制は有効ではないとの報告をしました。

太平洋セメント

会計監査人である新日本有限責任監査法人との平成26年3月期決算監査に関する事前協議の過程で、決算・財務報告プロセスにおける複数の不備を指摘されました。
具体的には、次の処理について会計処理誤りの発生を防止する統制の整備状況が不十分だったとのことです。

  1. 一部の引当金の計上方法
  2. 連結決算に係る税効果会計の適用方法
  3. 投資と資本の相殺消去の方法等

会社は、平成26年3月期の決算手続に内部統制の不備に対する是正措置を反映させ、開示すべき重要な不備の是正措置は完了し、会計監査人による是正結果の確認を受けているとのことです。

制度上は、期末日時点の内部統制の有効性を評価しますので、平成26年3月期の通期の内部統制報告書において、開示すべき重要な不備があり内部統制は有効ではないと報告しています。

なお、会社は6月の株主総会で任期満了に伴う会計監査人の異動(新日本有限責任監査法人から有限責任あずさ監査法人)についてお知らせしています。

東テク

会社は平成26年3月に、平成21年3月期から平成25年3月期にいたる5期の内部統制報告書の訂正報告書を提出しています。本件発覚以降、当事業年度末日までの時間的制約もあり、開示すべき重要な不備を是正することができなかったとのことです。会社は、平成26年3月期の通期の内部統制報告書においても、開示すべき重要な不備があり内部統制は有効ではないと報告しています。

関連記事:開示すべき重要な不備の事例(2014年3月公表)

開示すべき重要な不備の一覧

会社名
決算期
開示すべき重要な不備の内容
開示すべき重要な不備の是正方針
付記事項
特記事項
株式会社東京衡機
H26.2
当社は、当社の会計監査人との平成26年2月期決算監査に関する協議の過程で、平成21年2月期以降の財務報告において訂正を要する事項があるとの指摘を受け、当該指摘事項を確認・精査した結果、訂正事由の存在が判明したため、過年度の会計処理等を訂正すべきであると判断し、過年度の会計処理等を訂正するとともに平成21年2月期から平成26年2月期までの有価証券報告書及び平成24年2月期から平成26年2月期までの四半期報告書について訂正報告書を提出いたしました。
過年度の会計処理等を訂正することとなった要因は、固定資産の減損会計の適用及び関係会社株式の評価において、会計基準の理解が不十分であったこと及び会計上の見積りの客観的な実施過程を十分に保持していなかったことであります。また、連結財務諸表を作成するにあたっての体制及び手続きが不十分であったことであります。

以上のことから、当社の全社的な内部統制及び決算・財務報告プロセスの一部に関する内部統制の不備は、当社の財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
当事業年度の期末日までに上記の開示すべき重要な不備が是正されていない理由は、訂正事項の発覚が当事業年度の期末日以降であったためであります。
なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する財務報告上の影響額は、決算過程で特定し、必要な修正はすべて財務諸表及び連結財務諸表に反映させております。

(1) 決算財務報告プロセスの見直し
(2) 決算レビュー委員会の設置
(3) 会計上の見積り等決算業務に関するモニタリング強化
(4) 経理体制の拡充およびスキルアップ
ジャパンベストレスキューシステム株式会社
H25.9
平成26年4月28日付で、当社会計監査人である有限責任監査法人トーマツから、当社の連結子会社である株式会社バイノス(以下、「バイノス」という)の売上計上に懸念を生じさせる事実がある旨の通知を受けました。これを受け、平成26年5月2日開催の当社取締役会において、当社の連結子会社であるバイノスの売上計上に関する調査に当たり、事実関係の調査、認定、評価に基づく提言等が必要であると判断し、日本弁護士連合会の定めるガイドラインに依拠して、当社と利害関係を有しない中立・公正な外部の専門家から構成される第三者委員会を設置することといたしました。
同日以降、第三者委員会は証憑書類や取引データの精査、関係者へのヒアリングやメール履歴調査等、その他実施可能な方法により、当該懸念に関して調査を実施し、平成26年6月3日、当社は第三者委員会より調査結果を記載した調査報告書を受領いたしました。
平成26年6月3日付の第三者委員会による調査報告書による指摘を受け、過去に提出いたしました有価証券報告書等に記載されている連結財務諸表及び財務諸表に含まれる会計処理の誤謬を訂正することといたしました。
バイノスの販売プロセスのRCM(リスク・コントロール・マトリックス)によると、バイノスの売上高の計上は、「出来高明細書」並びに「入着高・出来高調査表」「請求書」を基に行うとされておりましたが、実際には「出来高明細書」及び「検収書」にて、発注者の現場工事事務所長の捺印確認を受けて売上計上しており、当該調査により、それらの中の一部に、実際の工事が完了する以前に検収印が捺印されたものや、実際に完了した工事内容と「出来高明細書」の金額との間に不整合があるもの等、不適正な売上計上があることが発覚しました。
当該事実はバイノスの経営者である代表取締役社長と管理部門の実質的責任者が、売上計画の未達の発覚を回避するため、それまでの売上計上ルールを変更し、意図的に売上の先行計上を行い、不適正な売上計上に及んだものです。
本件について予防または発見できなかったのは、除染事業自体が新しいものであり、収支構造やビジネスリスクを予想することが困難であったこと、また、バイノスは、除染事業の受注以前に建設・土木系の請負工事の経験がなく、十分な知識・経験の蓄積がないことから除染事業受注の急拡大と比較して計数管理が追い付いていない状況であったこと、バイノスの販売に係る業務プロセスの内部統制において、適正な売上計上を実施する為のルール策定が不十分であったこと、バイノスの管理部門の実質的責任者の権限及び職責が明確でなかったこと及び子会社の監視監督が不十分であったこと、実態とは異なる内容の「検収書」等や「残高確認書」に発注者の現場工事事務所所長の印影があることについて、過剰な接待に依存した営業手法が誘因となった可能性が否定できないこと、並びにグループ全体におけるコンプライアンス意識が十分ではなかったことの不備によるものです。
上記の内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
本件に関する当社の対応として、平成25年9月期(第17期)第2四半期以降の決算を訂正し、平成25年9月期(第17期)第2四半期から平成26年9月期(第18期)第1四半期までの有価証券報告書及び、四半期報告書について訂正報告書を提出いたしました。
なお、上記の不備につきましては、本件発覚以降、本訂正報告書提出時点までに十分な整備・評価期間を確保できず、当該開示すべき重要な不備を是正することができませんでした。
① 適切な業務手順の確定及び運用 
② 新規事業に対する事前調査及び着手後のリスクコントロール制度の整備
③ 子会社の管理体制の見直し
④ 過剰な接待に依存する営業手法の禁止
⑤ 監査役会室の設置及び内部監査室の拡充
⑥ コンプライアンス意識の徹底
長野計器株式会社
H26.3、H25.3、H24.3、H23.3、H22.3
当社は、調査委員会(委員長:深澤久仁汎社外監査役)を設置し、当社の貸付金の一部について、その貸付手続および貸付先等の事実関係およびその内容を調査してまいりました。
同調査の結果、当社の取締役が期中において仮払金の形で法人主要株主に資金提供を行うとともに、各四半期末において当社から代理店を経由し、または当社の子会社から直接の短期融資に振り替えた形にして仮払金の形を解消し、迂回した資金提供を実行していたという事実、問題点および法的評価を踏まえての提言などが記載されている調査報告書を受領いたしました。
当該調査報告書で明らかになった資金提供が生じた原因は、統制環境の不備及びモニタリングの不備に起因して全社的な内部統制が有効に機能しなかったことによるものと認識しております。
すなわち、統制環境の不備は、取締役の監督機能及び監査役の監査機能が充分に機能しなかったことであります。
また、モニタリングの不備は、取締役及び従業員が同一部門の同一ポストに長期間留まる傾向にあり部長職を兼務することにより、組織間の相互牽制機能が働かなかったこと及び不十分な内部監査体制であったことであります。
以上の財務報告に係る内部統制の不備は、質的影響の重要性を考慮した結果、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
また、上記の不備については、平成26年3月期の会計監査人の財務諸表監査の過程で明らかになったため、当連結会計年度末日において是正が完了しておりません。
本件に対する当社の対応として、平成22年3月期以降の関連当事者情報の注記を訂正し、平成22年3月期から平成25年3月期の有価証券報告書の訂正報告書を提出いたしました。
(注1)H22年3月期およびH23年3月期は「開示すべき重要な不備」→「重要な欠陥」
(1)当社が提供した資金の早期回収
当社に関する課題は、まず当社の提供した資金の早期回収を図ることであります。その具体的方法は資金提供先が保有する有価証券を売却することで進めており、平成26年9月末を目途に回収を図る予定です。
(2)社内規程の遵守及び相互牽制機能の強化
 職務分掌・権限規程等の運用を厳格にするとともに、同一の取締役及び部長職等の兼務は平成26年10月を目途に解消し、職務分掌・決裁権限基準の見直しは同年7月より着手し、同年10月以降より相互牽制機能の強化を図ります。
(3)内部監査部門が行う監査範囲の拡充
金融商品取引法で定めた内部統制の監査を重点的に実施してまいりましたが、平成26年7月よりこれを見直したうえで監査手順の整備を行い、同年10月より業務上の取引の手続きに関する適正性を担保する業務監査の拡充を図ります。
(4)コンプライアンスマニュアルの見直し及びコンプライアンス教育の徹底
現行のコンプライアンスマニュアル(平成24年2月制定)の見直しは、平成26年7月より着手し、同年10月に完成したうえ、当社グループの従業員対象のコンプライアンスマニュアルの研修頻度を向上させ、コンプライアンス意識を浸透及び定着させてまいります。
また、取締役及び監査役につきましては、外部講師による研修の頻度を向上し、取締役及び監査役の監視・監督機能の強化を図るため取締役及び監査役のコンプライアンス意識を向上させてまいります。
(5)風通しの良い職場環境の構築
風通しの良い職場環境の構築に向け、平成26年7月に着手し、同年10月より個人の適性及び同一部門での在籍期間等を考慮し、人事の流動化に努めます。また、若手管理職の登用を図ります。
株式会社メッツ
H26.3
(1)代表取締役印が押印された金銭消費貸借契約書が発見されましたが、取締役会承認及びコンプライアンス統括室の審査も経ておらず、貸付事実もないため、調査を行った結果、代表取締役印が従業員により不正に使用された事実を確認しました。これは、当社が整備していた印章管理規程による統制が適切に運用されていなかったこと、また、モニタリングが十分ではなかったことによるものであり、全社的な内部統制に不備があったことにより発生したものです。
上記不正を行った従業員は当事業年度末日までに退職しており、事実関係の確認が終了したのは当事業年度末日後であったため、当該開示すべき重要な不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
なお、当該開示すべき重要な不備については、内部統制報告書提出日時点で既に是正されており、内容については4.付記事項に記載しております。
(2)経理・決算業務のための必要かつ十分な専門知識を有した社内の人材が不足しており、また、財務・経理部でのチェック体制が不十分だったため、監査法人から多数の指摘を受け、修正処理を行いました。
経理及び財務に相当の見識を有した者の採用、決算処理に対する社内の検証体制の強化が、当事業年度末日までに対応できなかったため、当該開示すべき重要な不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。

(2)について
① 経理体制の拡充およびスキルアップ
② 決算業務に関するモニタリングの強化
‘(1) 印章管理規程の改定による印章管理の強化
(2) 全役員・全社員のコンプライアンス意識の向上
(3) コンプライアンス統括室による監視の強化
(4) 取締役会における監視体制の強化
株式会社SJI
H26.3
当社の海外連結子会社であるLianDi Clean Technology Inc.は、平成26年3月期決算の過程において、会計処理上の重大な誤謬が判明いたしました。 
これは当該海外連結子会社における決算・財務報告プロセスの管理が適切に運用されていなかったために、税金計算等の誤謬が発生したこと、当社の海外子会社に対するガバナンスの実効的な運用、特に、決算・財務報告プロセスにおける当社側のモニタリングを主とした全社的な内部統制の運用が十分ではなかったことに起因するものと認識しております。
よって、当社の全社的な内部統制および連結子会社の決算・財務報告プロセスの一部に関する内部統制に重要な不備があったと認識しております。
以上の本件に係る内部統制の不備の特定は当事業年度末日以降になったことから、当事業年度末日までに是正措置が完了できなかったものです。
(1)海外連結子会社における決算・財務報告プロセス全体管理およびプロセス遂行の運用精度・確実性の向上
(2) 海外連結子会社において、外部の専門家あるいはコンサルティング会社の活用による、海外連結子会社所在国の法令・税制・会計制度への適切な対応の実施
(3) 海外連結子会社において、財務報告関係者に対する連結決算に係る社内外の教育・研修の実施
(4) 当社の財務経理部門による海外連結子会社の決算・財務報告プロセスのスケジュールの管理、本社と子会社の連携チェック等の管理とモニタリングの強化
(5) 当社取締役会による、海外連結子会社に対する適時適切な監督・モニタリング活動の管理、本社と子会社の連携チェック等の強化、および監査役によるモニタリングの強化
JALCOホールディングス株式会社
H26.3、H25.3
当社は、平成26年2月18日以降、証券取引等監視委員会の調査を受ける事となりましたが、この調査過程で、当社の100%子会社である株式会社ジャルコアミューズメントサービス(以下「JAS」と言う。)と株式会社オムコ(以下「オムコ社」と言う。)間のパチンコ及びパチスロの中古遊技機の販売に係る取引(以下「本件取引」と言う。)において、不正行為が行われており、当社がこれに関与したことにつき疑義が生じました。また、この不正行為に起因して当社の過年度の会計処理の訂正を要する可能性が生じたため、当社は、専門的かつ客観的な見地からの調査が必要であると判断し、同年2月25日、取締役会において第三者委員会を設置する事を決議し、同年3月4日、同委員会の委員3名(委員長:渡邉 雅之氏)を選任し、本件取引に関する調査を実施致しました。
同調査の結果、当社及びJASの役職員が、本件取引にあたってのオムコ社の不正行為に対して意図的に関与した事実は認められませんでしたが、JAS営業部とオムコ社との取引の一部に実在性のない取引が含まれている事が判明しました。
また、第三者委員会の調査対象は、「調査の網羅性」の観点から本件取引以外の当社グループにおける中核事業である中古遊技機のレンタル事業についても可能な範囲で調査が行われました。
また更に、第三者委員会の調査に加え、当社が再度調査を行った結果、一部の中古遊技機器レンタルについて、関係書類の整備等に不十分な点が見受けられていた事が判明しました。
これに伴い当社は、過年度の決算を訂正するとともに、第1期(自 平成23年10月3日 至 平成24年3月31日)から第2期(自 平成24年4月1日 至 平成25年3月31日)までの有価証券報告書及び第2期第1四半期(自 平成24年4月1日 至 平成24年6月30日)から第2期第3四半期(自 平成24年10月1日 至 平成24年12月31日)までの四半期報告書の訂正報告書を提出致しました。
これらの事実は、このような不適切な取引が未然防止あるいは発見できなかった点において、当社グループの役職員のガバナンス意識が希薄であった事、JAS営業部における取引前の取引先の与信調査、関係書類の整備や会計処理の検討及び取引開始後の取引先の業況確認といった管理体制が十分に機能していなかった事、及びモニタリングが不十分であった事によるものです。
以上の事から、当社の全社的な内部統制及び業務プロセスに関する内部統制に開示すべき重要な不備があったため、当該不適切取引が防止されず、かつ発見に遅れを生じさせたものと認識しています。
注:平成25年3月期の内容を掲載
(1)当社及びJASの役職員のコンプライアンス意識の向上
(2)取引前の取引先与信調査や検収・在庫確認プロセスの内部統制運用に係る社内諸規程やフロー図等の見直し
(3)取引量に見合う人員体制等、社内管理体制の見直し
(4)内部監査機能の強化
太平洋セメント株式会社
H26.3
当社は、当社の会計監査人との平成26年3月期決算監査に関する事前協議の過程で、決算・財務報告プロセスにおける複数の不備を指摘されました。
具体的には、①一部の引当金の計上方法、②連結決算に係る税効果会計の適用方法、③投資と資本の相殺消去の方法等に関する決算・財務報告プロセスについて、会計処理誤りの発生を防止する統制の整備状況が不十分でありました。
上記の内部統制の開示すべき重要な不備が、事業年度の末日までに是正されなかった理由は、期末監査の事前協議の過程で指摘された不備の是正措置が事業年度の末日以降となったためであります。
評価結果に関する事項に記載された開示すべき重要な不備を是正するために、決算・財務報告プロセスにおいて識別された不備に関連する業務プロセスを見直し、新たな業務フローを整備及び運用しました。
 是正措置としては、①引当金の計上について、その性質によって評価判定資料の作成方法及び判断指針の改訂並びに理論残高と実績値の差異分析を行う手続の追加、②連結決算に係る税効果会計の仕訳根拠資料の改訂、③投資と資本の相殺消去に関連する勘定残高について理論値と実績値の差異の詳細な分析を行う手続の追加等を実施しました。
 内部統制報告書提出日までに当該是正後の内部統制の整備及び運用状況の評価を行いました。評価の結果、内部統制報告書提出日時点で当該開示すべき重要な不備が是正され、財務報告に係る内部統制は有効であると判断しました。
東テク株式会社
H26.3
当社への税務調査の過程において、平成26年2月上旬に当局の指摘によって一部社員による不適切な外注費処理が行われていた可能性があることが判明いたしました。
当社は事実関係の判明や経緯など詳細を解明するため、平成26年2月17日に調査委員会を設置いたしました。調査の客観性・信頼性を高めるため、当社と利害関係のない弁護士・公認会計士を過半数含む委員会といたしまして、調査・分析等を行ってまいりました。
当該調査の結果、過年度より当社複数社員により、特定の外注先に対して発注額を水増しするなどの不正取引が繰り返されていた事実が判明いたしました。
これに伴い当社は、過年度の決算を訂正するとともに、第54期(自:平成20年4月1日 至:平成21年3月31日)から第58期(自:平成24年4月1日 至:平成25年3月31日)までの有価証券報告書及び第56期第1四半期(自:平成22年4月1日 至:平成22年6月30日)から第59期第2四半期(自:平成25年7月1日 至:平成25年9月30日)までの四半期報告書の訂正報告書を提出いたしました。
これらの事実は、役職員のコンプライアンス意識が希薄であったこと、モニタリング機能が適切でなかったこと及び仕入プロセスにおける統制の整備が適切でなかったこと、管理部門の牽制及び内部監査の機能が働かなかったことなどによります。以上のことから当社は、全社的な内部統制の一部及び仕入プロセスの一部に開示すべき重要な不備があると判断しました。
本件発覚以降、当事業年度末日までの時間的制約もあり、開示すべき重要な不備を是正することができなかったため、当事業年度末日における当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
(1) コンプライアンス意識向上を図る体制構築を行い、企業風土の改善を目指す  
① 組織の体制強化としてコンプライアンス室を新設する
② コンプライアンス研修を持続的に実施する
(2) モニタリング機能の充実を図る     
① 内部監査を強化する
② 内部通報制度の周知徹底及び外部の窓口を設置する
(3) 仕入プロセスの適正化を図る 
① 本店及び大阪支店に購買部を設置し、内部統制を強化する
② 仕入業者との関係を見直し、仕入業者の審査を厳格化する

Source:開示情報「内部統制報告書」「訂正内部統制報告書」などをもとに筆者にて作成

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Akiyoshi KANEKO

業務プロセスを可視化(モデル化)し、その可視化されたドキュメントを中心においてプロジェクトを推進するアプローチを提唱している。経理・財務分野を主な専門領域として、業務プロセスの改善やシステム構築、組織体制の整備に関するコンサルティングに従事。プロジェクト現場では、「お互いの仕事を理解する」「現状の課題を共有する」「考えていることを相手に伝える」「新しいしくみを共有し実行まで落とし込む」よう関係者間の橋渡し役として活動する。著書『内部統制評価にみる「重要な欠陥」の判断実務』『阻害要因探しから始める決算早期化のテクニック』
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