Android向けNetSuiteアプリケーションに見るERPの将来

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クラウドERPを提供するNetSuite社が、Android向けのNetSuiteの提供を開始することを発表しています。これによって、財務会計/ERPからCRM、Eコマースに至るすべての機能がAndroid向けアプリから利用可能とのことです。

Android向けNetSuiteアプリケーションを発表(ネットスイート株式会社)

背景にあるのはオムニチャネル

オムニチャネルは、店舗やネットなどのチャネルを問わず、あらゆる場所で顧客とのタッチポイントを持つ戦略で、各チャネルをいかに連携させて顧客にアプローチするかが課題となります。

店舗、Eコマース、モバイルなどでチャネルを増やしたものの、システム・業務運用など別々の対応をすると、顧客一人一人を即座に把握することが出来なかったり、余剰在庫など業務上の問題も抱えやすくなります。

それまでのシステム構築経緯から、店舗のPOSシステム、本部の基幹系システム、財務会計システム、顧客管理システム(CRM)、Eコマースのシステム(サイト)など、必要に応じて連携しながらも個別に構築されることが多かったかもしれません。その場合、例えば、顧客の引合情報はCRMで管理しているが、その顧客の過去の購買履歴はERPの購買モジュールに存在するため、提案に向けた仮説が適時に立てられなかった、というように、オムニチャネル実現の阻害要因となる可能性があります。

今回のNetSuiteのリリースは、すでに提供しているクラウドベースの財務会計/ERPスイートとオムニチャネルコマースソフトウェアスイートに加えて、Android向けのNetSuitの提供を開始することで、企業のオムニチャネルの実現を後押しするものと思われます。

初回リリースの概要

ネットスイート社のリリースによれば、NetSuiteを活用するユーザーは、Google Playから無料でダウンロードすることができるそうです。

以下は代表的な機能です。

  • ダッシュボードの同期(重要な業績評価指標(KPI)やスコアカード、トレンドグラフ、レポートのスナップショットなどを表示)
  • 完全なトランザクション管理のサポート(見込み客、顧客、販売注文、請求書、経費レポートなどの作成・編集・削除・参照)
  • ビジネス活動のサポート(販売注文や経費レポートの承認、見積もりの変更、顧客の支払いの承認、販売注文の請求処理)
  • 完全なアクティビティ管理(リスト表示・週表示・月表示でカレンダーを管理)
  • レコードのカスタマイズ(カスタムフォーム、フィールド、スクリプトなど既存のカスタム機能をサポート)
  • タイムシートと経費を管理(タイムシートと経費の管理。携帯端末で撮影した複数の領収書画像の一括アップロード機能などを含む)
  • 保存検索(既存のNetSuiteが提供する保存検索を利用し、結果表示およびレコードレベルの閲覧)
  • スワイプ機能の拡張をサポート(顧客の所在地の記録や通話の開始、イベントへの応答、編集モードへの切り替え)
  • ローカライゼーション(特定の言語への切り替えと複数通貨のサポート)

今後モバイル端末によるERPへのアクセスが増える?

今から5年ぐらい前、あるERPのプレゼンテーションでBlackBerry端末から操作する説明を聞いたときは、今ほどスマートフォンは普及していないこともあり、スマートフォンでERPを操作する運用イメージが持てなかったのですが、今は違います。

スマートフォンが普及し、ユーザーはスマートフォン上の様々なアプリケーションを通じてWebを閲覧しています。したがって、スマートフォンを通じてERPなど社内システムのデータを照会することもイメージできます。

2020年においてはモビリティがERPの主要技術になっているとの予測もあるように、今後モバイル端末によるERPへのアクセスができるようになって行くのでしょう。

※「2020年のERPソフトウェア産業のトップ5の予測」記事はTech Blog of A.K内にあります。

2020年のERPソフトウェア産業のトップ5の予測

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Akiyoshi KANEKO

業務プロセスを可視化(モデル化)し、その可視化されたドキュメントを中心においてプロジェクトを推進するアプローチを提唱している。経理・財務分野を主な専門領域として、業務プロセスの改善やシステム構築、組織体制の整備に関するコンサルティングに従事。プロジェクト現場では、「お互いの仕事を理解する」「現状の課題を共有する」「考えていることを相手に伝える」「新しいしくみを共有し実行まで落とし込む」よう関係者間の橋渡し役として活動する。著書『内部統制評価にみる「重要な欠陥」の判断実務』『阻害要因探しから始める決算早期化のテクニック』
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