2013年6月に開示すべき重要な不備などを公表した企業7社+α

2013年6月に内部統制報告書において、開示すべき重要な不備などを公表した企業です。3月決算会社にとっては5回目の内部統制報告書の提出となりました。経営者の評価結果で、開示すべき重要な不備があり内部統制は有効でないとした企業の数は7社でした。今回はこれに加えて、経営者の評価結果を表明できない企業2社、付記事項や特記事項の記載で目に留まった事例をご紹介します。

開示すべき重要な不備などの概要

アイレックス

平成24年3月期の訂正内部統制報告書を6/10に、また平成25年3月期の内部統制報告書を6/27に提出しています。売上高の処理に関し、一部の事業所において不適切な会計処理が発生したことと、また、当期の仕掛品の評価につき、(不正ではないものの)決算業務の妥当性について会計監査人から指摘があったことにより、開示すべき重要な不備(重要な欠陥)があり内部統制は有効でないとの評価結果を表明しています。なお、6/27に提出した通期の内部統制報告の不備の是正方針では、(3)監査体制の見直しとして、①内部監査体制の見直し、②監査役会の関与が追記されていました。

大興電子通信

平成21年3月期から平成24年3月期の訂正内部統制報告書を提出しています。複数部門で過年度に渡り原価付替えによる不適切な会計処理が行われていたにより、開示すべき重要な不備(重要な欠陥)があり内部統制は有効でないとの評価結果を表明しています。なお、7/1に提出したH25年3月期の内部統制報告書においても、開示すべき重要な不備があり内部統制は有効でないとの評価結果を表明しています。

日本コンベヤ

5月に訂正内部統制報告書(椿本興業との取引の一部に実在性の無い取引が含まれていることが判明した件)を提出していたのと同じ不備に関して、通期の内部統制報告書においても開示すべき重要な不備があり内部統制は有効でないとの評価結果を表明しています。

コマニー

昨年12月13日にH21年3月期からH24年3月期の訂正内部統制報告書を提出し、開示すべき重要な不備(重要な欠陥)があり内部統制は有効でないとの評価結果を表明しています(監査法人は財務諸表監査において限定付適正意見を表明)。その後の検証作業において追加的な修正が判明し、先月訂正有価証券報告書を提出しました。
平成25年3月期の内部統制報告書においても是正措置は完了しなかったため、開示すべき重要な不備があり内部統制は有効でないとの評価結果を表明しています。なお、監査法人は、当連結会計年度の連結財務諸表と前連結会計年度の連結財務諸表の比較可能性に影響を及ぼす可能性があるため、当連結会計年度の連結財務諸表に対して限定付適正意見を表明しています。

椿本興業

5月に訂正内部統制報告書(過年度から特定の取引先との取引に際して商品の納入・販売の実体が無いにも関わらず仕入・売上計上を行う不正取引を継続的に行っていた件)を提出していたのと同じ不備に関して、通期の内部統制報告書においても開示すべき重要な不備があり内部統制は有効ではないとの評価結果を表明しています。なお、不備の是正方針では、従来と比較してエ)支払業務の厳格化が追記されていました。

守谷商会

5月に訂正内部統制報告書(工事原価の未計上及び工事原価の付け替えの件)を提出していたのと同じ不備関連して、通期の内部統制報告書においても開示すべき重要な不備があり内部統制は有効ではないとの評価結果を表明しています。

燦キャピタルマネージメント

継続企業の前提に関する評価に際して、客観性を有した事業計画および資金計画を策定することができなかったこと、また経理部門の人員の退職により、適切な経理・決算業務のために必要かつ十分な専門知識を有した社内内の人材が不足していたことに起因して開示すべき重要な不備があるとの評価結果を表明しました。監査人からの指摘によるものです。

経営者の評価結果を表明できないとした企業

明治機械

3月に訂正内部統制報告書(連結子会社による「押込売上計上・架空売上の計上」「原価流用」の件)を提出していたことに関連して、評価範囲見直し後の重要な評価手続が実施できなかったため、評価結果を表明できないとしています。監査法人による内部統制監査報告書も意見不表明でした。

当社は、当該指摘を受けて、当初の計画段階においては評価範囲として選定していなかった事業拠点や業務プロセスも含めた評価範囲の見直しが必要と判断しましたが、関連する第三者調査委員会および社内調査委員会による調査報告書の公表が基準日である期末日直前であったことや、過年度決算訂正に関する有価証券報告書等の訂正報告書の提出その他社内調査等に優先的に注力せざるを得なかった等の理由により、評価範囲の見直し作業を実施することができませんでした。
したがって、当社は、財務報告に係る内部統制の評価について、重要な評価手続が実施できなかったため、当事業年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制の評価結果を表明できないと判断いたしました。

イー・キャッシュ

一部の子会社(期末近くに取得)の重要な評価手続が実施できなかったため、評価結果を表明できないとしています。監査法人による内部統制監査報告書も意見不表明でした。

当社は、財務報告に係る内部統制の評価において、一部の子会社の重要な評価手続が実施できませんでした。従いまして、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制の評価結果を表明できないと判断いたしました。
一部の子会社において実施できなかった重要な評価手続は以下のとおりであります。
1.全社的な内部統制の評価手続
2.決算・財務報告プロセスに係わる内部統制の評価手続
3.業務プロセスに係る内部統制の評価手続
重要な評価手続が実施できなかった理由は、当該子会社を当事業年度2月に取得しており、取得日から事業年度末日までの期間が短く、経理及び財務の知識・経験を有した者を当該子会社に係る内部統制の評価手続に従事させることが困難であったことによるものであります。

開示すべき重要な不備の一覧

会社名
決算期
開示すべき重要な不備などの内容
事業年度末日までに是正できなかった理由
開示すべき重要な不備の是正方針
株式会社アイレックス
H24.3
当社は、売上高の処理に関し、一部の事業所において、不適切な取引が行われていた可能性があることが判明したため、平成25年4月1日に親会社の社員から構成される内部調査委員会を設置するとともに、当社管理部所属の社員から構成される社内調査班を立ち上げ、不適切な取引の内容等につき、徹底した調査を行ってまいりました。同委員会等による調査の結果、取引の一部について売上高の架空計上等が行われていた事実が明らかになりました。
本件に対する当社の対応として平成24年3月期以降の決算を訂正し、平成24年3月期の第1、第2、第3四半期報告書及び有価証券報告書並びに平成25年3月期の第1、第2、第3四半期報告書の訂正報告書を提出いたしました。
本件については、取締役以下の役職員のコンプライアンスを踏まえた業務処理に対する自覚が欠如していたことに加えて、全社的な内部統制の重要な一部として取締役の業務執行を相互監視、監督すべき取締役会の機能が不十分で統制環境に不備があったこと、一部の売上の計上プロセスにおいて担当部署と管理・経理部門の相互牽制、モニタリング等が不十分であったこと等の統制手続の不備に起因するものと認識しております。以上のような財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼし、開示すべき重要な不備に該当するものと判断し、当事業年度末日時点における当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
① コンプライアンス意識の向上
(ア)企業倫理、行動規範等の周知徹底
(イ)内部通報制度の周知徹底
(ウ)社内教育の徹底

②  内部統制の一層の強化
(ア)内部統制基本方針の強化
(イ)リスク管理意識の徹底
(ウ)売上及び外注費計上プロセスの強化
(エ)仕掛品評価プロセスの強化
(オ)債権残高管理プロセスの強化
(カ)業務管理部門における証憑照合の徹底
大興電子通信株式会社
H21.3,H22.3,H23.3,H24.3
当社は、平成25年3月期の決算手続において、同年4月中旬に原価付替えによる不適切な会計処理が行われていることを発見いたしました。当社は、この事態を重く受け止め、全社的な調査を開始するとともに、同年4月22日に社内調査委員会を設置し調査を進めたところ、原価付替えによる不適切な会計処理の発見される件数と金額が拡大し、当社の財務報告に係る内部統制の有効性に疑義が生じることも予想されました。
このような状況により調査の客観性、独立性を確保するため、同年5月10日に当社と利害関係のない社外の独立した公認会計士を委員長とし、社外監査役及び取締役コーポレート本部長を委員とする「特別調査委員会」を設置し、同年5月14日に取締役会の承認を受け、徹底した調査を進めてまいりました。当該調査により、複数部門で過年度に渡り原価付替えによる不適切な会計処理が行われていたことが判明し、同年6月13日には特別調査委員会から調査報告書を受領いたしました。
当該原価付替えによる不適切な会計処理が行われた主な原因は以下の通りです。
① 全社員へのコンプライアンス意識の周知が徹底していなかったこと
② 関与している管理職の多くが同一部門における長期在籍者であったこと
③ 内部通報制度が十分に浸透していなかったこと
④ 受注登録後に受注明細の品目、数量、単価変更が頻繁に発生するという当社のビジネス上の特性から、原価付替えに関する統制は発見的統制に依拠していたが十分に機能していなかったこと
⑤ 顧客に直送されている在庫のたな卸が十分に行われていなかったこと
以上の財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備(重要な欠陥)に該当すると判断いたしました。
なお、上記の不備については、本訂正報告書提出時点において是正が完了しておりません。
本件に対する当社の対応として、平成20年3月期以降の決算を訂正し、平成20年3月期から平成24年3月期の有価証券報告書、平成20年3月期の半期報告書及び平成21年3月期から平成25年3月期第3四半期までの四半期報告書の訂正報告書を提出いたしました。
(1)意識改革・制度の改善
① 事業計画の達成度評価と同じレベルでのコンプライアンスの評価
② 毎月の営業会議及び半期毎に開催される全社戦略会議における部店長に対するコンプライアンスの周知徹底の継続、各部店会議での議論を実施及び自己点検による結果の経営者への報告
③ 管理職の定期的な人事ローテーションの実施
④ 内部通報制度の四半期毎の従業員への十分な周知

(2)業務運用上の仕組みの改善
① 職務分掌の見直し、具体的な手順の文書化による実効性の高い統制活動の実施
② 日常的モニタリングや内部監査部門による独立評価がより深度のあるモニタリング活動となるような手順、体制の見直し
日本コンベヤ株式会社
H25.3
当社は、椿本興業株式会社(以下「椿本興業」という)が平成25年3月18日付で開示した「当社従業員による不正行為について」に関して、椿本興業担当役員から当社取締役に、不正行為が疑われる取引の一部(以下「当該取引」という)に当社との取引が含まれているとの連絡がありました。その内容把握のために同年3月28日に社内調査委員会(委員長:当社代表取締役社長 西尾佳純)を設置し、調査を実施しました。
同調査の結果、当社において首謀者あるいは共謀者であることを示す事実は発見されず善意の第三者と考えますが、当社装置システム部と椿本興業との取引の一部に実在性の無い取引が含まれていることが判明しました。椿本興業の社会的信用力から当該取引を受注したこと自体に合理性が無いとまでは言えないものの、結果的に不適切な取引を発見できなかった点につきましては、コンプライアンス上の重大な問題と認識しています。
これに伴い当社は、当該取引による過年度決算への影響額を調査し、過年度の決算を訂正するとともに、平成20年3月期から平成25年3月期第3四半期までの有価証券報告書、半期報告書及び四半期報告書について訂正報告書を提出しました。
これらの事実は、このような不適切な取引が未然防止あるいは発見できなかった点において、役職員のコンプライアンス意識が希薄であったこと、装置システム部における受注承認や与信管理、取引先の業況確認といった管理体制が十分に機能していなかったこと及びモニタリングが不十分であったことによるものです。
以上のことから、当社の全社的な内部統制及び業務プロセスに関する内部統制に開示すべき重要な不備があったため、当該不適切取引が防止されず、かつ発見に遅れを生じさせたものと認識しています。
上記事実は当事業年度末日後に発覚したため、当該不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
(1)全役員、全社員のコンプライアンス意識の向上
(2)社内諸規程、手順書の整備
(3)社内管理体制の見直しと受注承認プロセスの見直し
(4)内部監査機能の強化
株式会社アイレックス
H25.3
当社は、売上高の処理に関し、一部の事業所において、不適切な会計処理が行われていた可能性があることが判明したため、平成25年4月1日に親会社の社員から構成される内部調査委員会を設置するとともに、当社管理部所属の社員から構成される社内調査班を立ち上げ、不適切な会計処理の内容等につき、徹底した調査を行ってきました。また、弁護士、公認会計士で構成される第三者委員会(以下「第三者委員会」といいます。)を同年5月7日に設置し調査を実施し、同年6月10日に第三者委員会より調査報告書を受領いたしました。なお、第三者委員会の調査報告書については、同日付リリース(「第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」)にて公表されております。
本件に関する当社の対応として、平成24年3月期の第1、第2、第3四半期報告書及び有価証券報告書並びに平成25年3月期の第1、第2、第3四半期報告書の訂正報告書を提出いたしました。本件は、取締役以下の役職員のコンプライアンスを踏まえた業務処理に対する自覚が欠如していたことに加えて、全社的な内部統制の重要な一部として取締役の業務執行を相互監視、監督すべき取締役会の機能が不十分で統制環境に不備があったこと、一部の売上及び外注費の計上プロセスにおいて担当部署と管理・経理部門の相互牽制、モニタリング等が不十分であったこと等の統制手続の不備に起因するものと認識しております。以上のような財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。

また、当期の決算において、仕掛品の評価につき、不正ではないものの当社の決算業務の妥当性について会計監査人から指摘されております。これは、正確な財務数値を作成するための当社の数値の検証の不足及び当社における仕掛品に関する報告書の不十分なモニタリングが要因であり、全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスに開示すべき重要な不備があると判断いたしました。
本件発覚が当事業年度末日近くであり、時間的制約から当事業年度末日までに十分な整備・評価期間を確保できず、その運用の有効性を確認することができませんでした。

当該不備は期末の監査の過程で識別されたものであり、事業年度末日までに是正することができませんでした。
(1)コンプライアンス意識の向上
① 企業倫理、行動規範等の周知徹底
② 内部通報制度の周知徹底
③ 社員教育の徹底
(2)内部統制の一層の強化
① 内部統制基本方針の見直し
② リスク管理意識の徹底
③ 売上計上プロセスの見直し
④ 債権残高管理プロセスの見直し
⑤ 業務管理部門における証憑照合の徹底
(3)監査体制の見直し
① 内部監査体制の見直し
② 監査役会の関与
コマニー株式会社
H25/3
当社は、海外における事業及びそれに関わる取引に関して、不適切な処理が行われたとの疑義が生じたため、連結範囲の変更の要否、中国の連結子会社の売上高計上等の会計処理及び当社の過去の決算における繰延税金資産の回収可能性等の会計処理について検討を行いました。
連結範囲の変更の要否の検討の結果、当社が平成23年8月31日付にて買収いたしました南京捷林格建材有限公司が、買収以前の設立当初(設立日:平成19年4月5日)から当社の子会社と判断すべきと認識し、第48期(自 平成19年4月1日 至 平成20年3月31日)に遡って同社を連結子会社にすることとし、また、中国子会社の売上原価の計上時期について訂正を行いました。この他、当社の繰延税金資産の計上額についてもあわせて訂正を行っております。
さらに、上記訂正の過程で当社の連結子会社である格満林(南京)実業有限公司において証憑の一部が保管されていないことが判明したため、平成24年12月13日に訂正報告書を提出して以降、同社の過年度決算を対象に決算数値の検証作業を行い、第52期(自 平成23年4月1日 至 平成24年3月31日)の有価証券報告書及び第53期(自 平成24年4月1日 至 平成25年3月31日)の第1四半期報告書、第2四半期報告書及び第3四半期報告書について訂正報告書を提出しました。
当該事実の発覚を受け、当社は平成24年12月13日に訂正内部統制報告書を提出し、開示すべき重要な不備として当社の連結決算プロセスに関する統制と子会社に対するモニタリング統制の不備を特定しました。訂正内部統制報告書の提出後、グループをあげて当該開示すべき重要な不備の改善に取り組んできましたが、当事業年度末日において、当社の連結決算プロセスについては子会社の財務情報の把握および分析手続にかかる整備が未了であり、質的に重要な子会社として内部統制評価の対象に追加した格満林(南京)実業有限公司については、同社の職務規定や個々の業務手順の整備が十分ではなく、当事業年度末日までにすべての是正を完了できませんでした。
以上のことから上記に関連する当社の全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスに関する内部統制及び格満林(南京)実業有限公司の全体的な内部統制の整備・運用に開示すべき重要な不備があったと認識しております。
(1) 中国子会社における管理体制の見直しによる牽制機能の強化
(2) 中国子会社における諸規程及びマニュアルの整備・運用
(3) 当社の連結決算プロセスにおける子会社に対する統制の強化
椿本興業株式会社
H25.3
当社中日本営業本部において、当社従業員が不正取引を行っていたことが平成25年3月に判明し、その実態及び損失額を調査するために同年3月18日に社内調査委員会(委員長:代表取締役社長 椿本哲也)を設置するとともに、社内調査に対する公正中立な検証や、第三者による独自調査を行うために、弁護士、公認会計士等で構成される第三者委員会を同年3月25日に設置し調査を実施いたしました。
同調査により、同営業本部において、過年度から当社従業員が、特定の取引先との取引に際して商品の納入・販売の実体が無いにも関わらず仕入・売上計上を行う不正取引を継続的に行っていたことが明らかになりました。
これに伴い当社は、当該不正取引による過年度決算への影響額を調査し、過年度の決算を訂正するとともに、平成20年3月期から平成25年3月期第3四半期までの有価証券報告書、半期報告書及び四半期報告書について訂正報告書を提出いたしました。
これらの事実は、役職員のコンプライアンス意識が希薄であったこと、職務分離や相互牽制が十分に機能していなかったこと及びモニタリングが不十分であったこと、並びに仕掛品在庫の棚卸管理が不十分であったことによるものです。
以上のことから、当社の全社的な内部統制及びたな卸資産に係る業務プロセスに関する内部統制に開示すべき重要な不備(重要な欠陥)があったため、当該不正取引が防止されず、かつ発見に遅れを生じさせたものと認識しています。
上記事実は当事業年度末日後に発覚したため、当該不備を当事業年度末日までに是正することができませんでしたが、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正事項は、決算過程で適正に修正しております。
ア)コンプライアンス意識の徹底とコンプライアンス規定の新設
イ)定期的人事異動の実施
ウ)営業部門より発注業務の分離と営業事務の見直し
エ)支払業務の厳格化
オ)各種規定の見直しと実務運用の徹底
カ)内部通報制度の改善
キ) 内部監査体制の充実
ク) 取締役会及び監査役会の更なる活性化
株式会社守谷商会
H25/3
当社が平成24年3月期に行った工事原価の未計上及び工事原価の付け替えに関連して、平成24年3月期の有価証券報告書及び内部統制報告書並びに平成25年3月期の各四半期報告書について訂正報告書を提出しました。本件は、取締役以下の役職員のコンプライアンスを踏まえた業務処理に対する自覚が不十分であったことに加え、全社的な内部統制の重要な一部として取締役の業務執行を相互監視、監督すべき取締役会の機能が不十分で統制環境に不備があったこと、工事原価の計上業務プロセスにおいて担当部署と管理・経理部門の相互牽制、モニタリング等が不十分であったこと等の統制手続の不備に起因するものと認識しております。以上のような財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼし、開示すべき重要な不備に該当すると判断し、当事業年度末日時点における当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断しました。
本件発覚以降、当事業年度末日までに十分な整備・評価期間を確保できず、その運用の有効性を確認することができませんでした。
(1)部署長間の情報共有、協議の活性化とコンプライアンスを踏まえた業務遂行の徹底
(2)損失リスクの未然防止対策の強化と規程の整備
(3)組織の新設及び監理室の強化による不適切な業務処理の防止対策の強化
(4)弁護士等の専門家との一層の連携強化
(5)営業段階から工事(現業)部門が参加する協議体制の整備
(6)取締役を含めた役職員に対する部署別(業務別)研修会の実施
(7)内部通報制度の利用の活性化
燦キャピタルマネージメント株式会社
H25/3
当社は、下記の項目に起因して、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表及び財務諸表(以下、連結財務諸表等という。)を作成するための全社的な内部統制及び決算・財務報告プロセスに係る内部統制の整備及び運用が不十分であったため、当連結会計年度の連結財務諸表等に関連して、監査人より次の指摘を受けました。
・継続企業の前提に関する評価に際して、客観性を有した事業計画および資金計画を策定することができなかったこと。
・経理部門の人員の退職により、適切な経理・決算業務のために必要かつ十分な専門知識を有した社内内の人材が不足していること。
当社は、外部の専門家に依頼することで決算処理を適切に遂行する体制は整えておりましたが、上記監査人の指摘が当連結会計年度末日までに是正されなかったこと、かつ、これらが財務報告に与える重要性が高いものと判断し、「開示すべき重要な不備」と判断しました。
当連結会計年度の末日までに是正されなかった理由は、決算処理を適切に遂行するための能力及び経験を有した社内の人材の補充を行なうことができず、さらに、当連結会計年度末日以降の経理関係者の退職が重なり、外部の専門家に依頼する体制は整えていたものの、適切な社内の人材を従事させる体制を構築することができなかったためであります。
本書提出日現在、適切な経理、決算業務のために必要かつ十分な知識を有した人材を採用する予定としており、翌連結会計年度においては、適切な内部統制を整備し運用する方針であります。
明治機械株式会社
H25.3
平成25年3月に実施した過年度決算訂正に関して、平成24年11月から平成25年2月にかけて行われた第三者調査委員会による調査および平成25年2月から平成25年3月にかけて行われた社内調査委員会による調査の結果、取締役会および監査役会の監督機能の不足や内部監査機能の不足など当社グループの全社的な内部統制の有効性に疑義があることを示唆する指摘がなされました。
当社は、当該指摘を受けて、当初の計画段階においては評価範囲として選定していなかった事業拠点や業務プロセスも含めた評価範囲の見直しが必要と判断しましたが、関連する第三者調査委員会および社内調査委員会による調査報告書の公表が基準日である期末日直前であったことや、過年度決算訂正に関する有価証券報告書等の訂正報告書の提出その他社内調査等に優先的に注力せざるを得なかった等の理由により、評価範囲の見直し作業を実施することができませんでした。
したがって、当社は、財務報告に係る内部統制の評価について、重要な評価手続が実施できなかったため、当事業年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制の評価結果を表明できないと判断いたしました。
イー・キャッシュ株式会社
H25.3
当社は、財務報告に係る内部統制の評価において、一部の子会社の重要な評価手続が実施できませんでした。従いまして、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制の評価結果を表明できないと判断いたしました。
一部の子会社において実施できなかった重要な評価手続は以下のとおりであります。
1.全社的な内部統制の評価手続
2.決算・財務報告プロセスに係わる内部統制の評価手続
3.業務プロセスに係る内部統制の評価手続
重要な評価手続が実施できなかった理由は、当該子会社を当事業年度2月に取得しており、取得日から事業年度末日までの期間が短く、経理及び財務の知識・経験を有した者を当該子会社に係る内部統制の評価手続に従事させることが困難であったことによるものであります。

経理システムの見直しに伴う内部統制の有効性への影響について付記した会社

京王電鉄では、経理システムを入れ替えたことにより、翌事業年度以降の内部統制の有効性に影響があるかもしれないと付記していました。

京王電鉄

4 【付記事項】
当事業年度の末日後、当社および一部の連結子会社の経理システムを変更しております。この変更は、翌事業年度以降の当社の財務報告に係る内部統制の有効性の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。

過去の開示すべき重要な不備(重要な欠陥)を是正した旨、特記事項として記載している企業

過去に開示すべき重要な不備(重要な欠陥)があり、内部統制は有効ではないとの評価結果を表明した企業で、神姫バスとオリンパスが通期の内部統制報告書でその是正完了について記載をしています。

神姫バス

5【特記事項】
当社は、当事業年度に判明した、当社子会社元役員による不正行為を受け、平成23年3月期第1四半期から平成25年3月期第1四半期までの連結財務諸表を訂正するとともに、当該期間の内部統制の一部に重要な欠陥または開示すべき重要な不備があったとし、平成23年3月期及び平成24年3月期の内部統制報告書の訂正報告書を平成24年11月14日付で提出しております。
その後、第130期(自 平成24年4月1日 至 平成25年3月31日)有価証券報告書の「第2 事業の状況 3.対処すべき課題」に記載していますとおり、当社は以下の再発防止策の実行に努めてまいりました。
① 子会社代表者兼務の原則禁止
② 当社グループにおけるガバナンスの強化
③ 内部公益通報制度の見直し
④ 当社による会計・経理業務支援
⑤ コンプライアンス委員会の活動強化
その結果、当事業年度末時点において、開示すべき重要な不備は是正され、当社の財務報告に係る内部統制は有効であると判断致しました。

今後、これまでの取り組みを継続的にモニタリングするとともに、全社を挙げてコンプライアンスを重視する企業風土を醸成し、関係者の皆様からの信頼回復に全力を尽くしてまいります。

オリンパス

5【特記事項】
前事業年度末における複数の開示すべき重要な不備は、当事業年度末日においては是正措置が完了し、財務報告に係る内部統制の評価結果は有効と判断しました。なお、不備への是正措置の取り組みは以下のとおりであります。
(1) 全社的な内部統制の不備に関する是正
①コーポレート・ガバナンス体制の強化
平成24年4月20日開催の臨時株主総会において、取締役会の構成員の過半数を独立性の高い社外取締役にするとともに、社長以外(会長)の取締役会議長への就任、過半数を社外取締役で構成する独立委員会による役員候補者の指名及び取締役報酬の決定、さらに、役員の最長在任期間及び上限年齢の設定を行いました。また、監査役についても独立性の高い社外監査役の選任や、常勤監査役のうち一人は社外から招聘するなど、執行と監督の分離、並びに取締役会による執行部門への監督機能の強化を図りました。
②コンプライアンス体制の強化
経営理念の再定義、グループ企業行動憲章や行動規範の改訂を行ったうえで、「オリンパス経営陣によるコンプライアンスコミットメント」を発表することで、経営陣のコンプライアンスに対する意識改革を進めるとともに、当社及びグループ会社すべての役職員全員に周知を行いました。また、チーフコンプライアンスオフィサーの任命、独立性の高い社外取締役を委員長とするコンプライアンス委員会の設置、グローバルコンプライアンスマネジメントシステム規定の策定により、当社グループ全体のコンプライアンス体制の強化を図りました。
③内部通報制度の拡充
内部通報窓口を社内だけでなく社外にも設置し、不正を知った者の内部通報義務を明確にするなど、内部通報制度の拡充を行いました。また、内部通報制度は当社のみならず海外も含むすべてのグループ会社で整備を行いました。
(2) 決算財務報告プロセスに係る重要な不備に関する是正
経理関連の方針・規程・マニュアルの整備、経理部要員体制の強化などを実施しました。また、当社及び連結子会社における財務数値検証プロセスや当社による連結子会社の報告資料のモニタリング体制の見直しを行うとともに、決算作業の進捗管理を徹底し、課題に対し十分な検討を行うことで、より正確な財務報告ができる体制を整備いたしました。
(3) 韓国子会社元代表理事による違法な職務行為に関する是正
当該子会社の役員体制の刷新と理事会(取締役会)の定期開催によるコーポレート・ガバナンス体制の改善、規程類の制定・整備を行いました。また、当該子会社をアジア・オセアニア地域統括会社傘下へ組み込み、当社からの役員・管理職を派遣するなど、当社及びアジア・オセアニア地域統括会社による監視・監督機能を強化しました。

Source:開示情報「内部統制報告書」「訂正内部統制報告書」などをもとに作成

注:情報の検索範囲の網羅性については検証していません。あらかじめご了承ください。