決算早期化-モデリング技法としてみたPERT図

子供の頃、学校で世界地図の勉強をしたときに色々な図法を勉強したと思います。例えば、「メルカトル図法」「グード図法」「モルワイデ図法」「正距方位図法」などです。これらは、球の形をした地球の姿を、1枚の紙の上に単純化・抽象化して目に見える形にしたものです。それによって、私たちは大陸や海など地球の姿を知ることができますし、また、日本はアジアの東端にある小さな島国で太平洋の向こうにアメリカがあるなどということも知ることができます。

『業務プロセスのモデリング』も同様です。現実の仕事の流れを単純化・抽象化することで、枝葉の部分が落とされ、幹となる大事な部分を全体として鳥瞰することができます。それによって、自分の担当以外の仕事の内容も理解することができます。

ツールやテクニックは、打ち出の小槌のように振ればいいというものではない

ところで、現実の世界をモデル化して1枚の紙に落とし込むには、それなりの工夫が必要であり、方法によって長所もあれば、短所もあります。

例えば、世界地図のメルカトル図法では、地図上の角度が正しく表されますが、赤道から遠くなるほど面積が不正確になってしまいます。また、面積を正確に表すモルワイデ図法では、赤道から遠い地域ほど形がゆがんでしまいます。

そのため、私たちは何を目的にしたいのか、正確な「距離」を知りたいのか、「面積」を知りたいのか、それとも「形」を知りたいのかによって、利用する図法を使い分けなければなりません。

世界地図の図法と同様に、業務プロセスのモデリングの技法も色々な技法があります。表記法は別として、何らかのフローチャートは多くの人も実際に描いたことがあるのではないでしょうか。

でも、実際にフローチャートを描くときに、その目的から使う技法を使い分けていたかと言えば、「そこまでは・・・」という答えが返ってくるかもしれません。

今年1月に刊行した拙著『阻害要因探しから始める決算早期化のテクニック』では、PERT図というアロー・ダイヤグラムをモデリング技法として紹介しています。それは、決算早期化の作業がスピードアップを第一に優先した業務改善のプロジェクトだからです。

PERT図は、時間に焦点をあてた業務分析において、正確な課題認識をすることができるという長所をもっています。一方で、業務を新たに設計するときのように、人手による作業と情報システムを利用した作業をモデル化することは苦手です。表記ルールそのものが馴染みません。また、リソースの制約を見える化することも苦手です。

このように、ツールやテクニックというのは、一度成功して身につけたものを打ち出の小槌のように何でもかんでも振ればいいというものではなく、場面によって使い分けるのが大事です。

と、ここまで話をしておきながら、それでもご紹介したいセミナーがこちら。

【お知らせ】TKC決算早期化セミナー

6月20日(金)と24日(火)に、株式会社TKCと所属する法人グループが共催で決算早期化セミナーを開催することになりました。本セミナーで、私は第1部を担当します。決算早期化を経営課題の一つと認識し、今後取り組もうとされている企業担当者様向けに、PERT図を利用したクリティカル・パスを特定する手法をご紹介いたします。

決算早期化を推し進める時代背景が変わっても、日程を短縮するという決算早期化の本質は同じです。社内関係各部門と業務プロセスに真正面から向き合う形で、決算早期化を進めるための実践的な手法を学ぶことができます。

決算早期化も色々な課題があるため、すべての決算早期化プロジェクトでPERT図が有効とは言いませんが、比較的広範に利用することができるツール&テクニックですので、身につけておいて損はありません。

詳細はコチラ→ TKC決算早期化セミナー

阻害要因探しから始める決算早期化のテクニック

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Akiyoshi KANEKO

監査法人に勤務。組織内では、テクノロジー・ソリューションの企画・開発、構築局面における推進、運用局面におけるサポートの統括を担当。AWSの仮想デスクトップサービスであるWorkSpacesとGoogleのChromebookを組み合わせたセキュアなデスクトップ・ソリューションの構築を始め、様々なクラウドサービスの導入を推進。顧客企業向けに、マネジメント系のコンサルティング業務にも従事。